
結論から。
脂漏性角化症は「ピコスポット」でもしっかり薄くできます。
CO2レーザー一択だと思われがちですが、実は選択肢は一つではありません。
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今回の症例は、脂漏性角化症にピコスポットを1回照射したビフォーアフターです。
写真を見ていただくと分かる通り、盛り上がり・色調ともに明らかな改善が得られています。
脂漏性角化症は良性腫瘍で、従来はCO2レーザーで削る治療がスタンダードでした。
ただしCO2レーザーは
・表皮を削る
・かさぶたができる
・色素沈着はほぼ必発
・ダウンタイムがやや長い
という側面があります。
そこで当院では、条件を満たす症例にはピコスポット(高出力モード)を選択しています。
ピコスポットの最大の特徴は、
✔ 表層を削らない
✔ 高出力でもダウンタイムが比較的少ない
✔ 炎症後色素沈着が軽く済みやすい
という点です。
麻酔も外用麻酔のみで対応可能なケースがほとんどです。
ポイントは波長と出力設定。
脂漏性角化症では、532nmという「切れ味の良い波長」を使用します。
黒子治療と同様、かなりしっかりパワーを上げて照射します。
「強く当てて大丈夫?」と思われがちですが、
CO2レーザーは削る以上、色素沈着は避けられません。
それならば、ピコで思い切って高出力照射した方がトータルで楽、という考え方です。
もちろん、ピコでも一時的な色素沈着が出ることはあります。
その場合は
・ビタミンC内服
・トラネキサム酸内服
・ハイドロキノン外用
を併用し、1〜2か月程度で落ち着かせていきます。
ここが重要なポイントですが、
ピコレーザーの色素沈着は、Qスイッチルビーレーザーとは消え方が全く違います。
ピコは
▶ ピコ秒(1兆分の1秒)の衝撃波主体
Qルビーは
▶ ナノ秒(1億分の1秒)の熱ダメージ主体
この違いにより、
・色素沈着の質
・消退スピード
・経過
に明確な差が出ます。
これが「ピコがすごい」と感じる理由です。
【治療内容】
ピコウェイ
532nm/2mm/3.0〜3.25J
1470ショット(外用麻酔併用)
【費用】
ピコスポット(11〜20個まで)
30,800円(税込)/回
【主なリスク・副作用】
・照射時の疼痛
・反応性の痂皮形成
・炎症後色素沈着
・かゆみ
・色素脱失
脂漏性角化症=削る、ではありません。
ダウンタイムを抑えたい方、色素沈着をできるだけ軽くしたい方には、ピコスポットは非常に有力な選択肢です。
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【料金一覧】
ピコスポット(730nm or 532nm)
※小範囲は基本麻酔なし
1〜5個:13,200円(税込)
6〜10個:19,800円(税込)
11〜20個:30,800円(税込)
※症例により適応は異なります。診察の上で最適な方法をご提案します。
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【まとめ】
・脂漏性角化症はピコスポットでも改善可能
・532nm高出力がポイント
・CO2より色素沈着が軽い
・ダウンタイム少なめ
・ピコ特有の色素沈着は消え方が速い
気になる方はぜひご相談ください。









