
癒着の剥離と重瞼ラインの再固定で自然な仕上がりに
眼瞼下垂手術(挙筋前転術)の術後に、予定していなかった二重ラインが生じてしまうことがあります。
今回は、その予定外重瞼線に対して修正術を行い、自然なラインへ整えることができた症例をご紹介します。
術後4か月の時点で、まぶたのラインはかなり自然に落ち着いています。
目元の手術では「しっかり開くこと」だけでなく、「ラインが自然であること」も大切です。
とくに眼瞼下垂手術後は、開瞼機能の改善と同時に、二重ラインの変化が起こることがあるため、術後経過の見極めが重要になります。
眼瞼下垂手術後に予定外重瞼線が起こる理由
眼瞼下垂手術の代表的な方法である挙筋前転術は、まぶたを開ける筋肉の働きを改善する手術です。
視野が広がる、目の開きがよくなる、額の力みが減るなど、多くのメリットがある一方で、術後の治癒過程の影響を受けやすい手術でもあります。
その中で一定数みられるのが、予定外重瞼線です。
これは、本来予定していた位置とは別の場所に二重ラインができてしまう状態を指します。
原因としては、術後の治癒過程で予期しない部位に癒着が生じることが挙げられます。
挙筋前転術では皮膚、眼輪筋、挙筋腱膜など複数の組織を扱うため、回復の過程で局所的に強い癒着が起こると、皮膚が深部に引き込まれて別のラインとして現れることがあります。
もちろん初回手術では、
- 不要な剥離を避ける
- 余分な出血を抑える
- 組織を丁寧に扱う
といった点がとても大切です。
ただ、それでも術後反応には個人差があり、体質や炎症の出方、瘢痕のつくり方によって、どうしても一定率で癒着が起こることがあります。
つまり、予定外重瞼線は初回手術を丁寧にしていても、完全にゼロにはできないことがある術後変化です。
そのため、術前説明の段階でこのような可能性について理解していただくことも重要です。
今回の修正術で行ったこと
今回の症例では、予定外のラインを生じさせていた癒着部分を丁寧に剥離し、そのうえで眉側へ引き上げる方向で重瞼ラインを再固定しました。
修正術で大切なのは、単純に「変なラインを消す」ことではありません。
本当に大切なのは、不自然な癒着を解除したうえで、自然に見える位置にラインを再構築することです。
癒着が残ったままだと、見た目の違和感が残ったり、再び別の引き込みが出たりすることがあります。
逆に、剥離だけを行っても新しいラインの支えが不十分だと、安定した結果につながりにくいことがあります。
そのため修正では、
- どこに癒着があるのか
- どの程度まで剥離するか
- 新しいラインをどこに固定するか
- 引き上げの強さをどう調整するか
といった点を細かく見ながら手術を組み立てていきます。
今回の症例では、このバランスがうまく取れたことで、術後4か月で自然な二重ラインに整えることができました。
予定外重瞼線は修正できることがあります
眼瞼下垂手術後に予定外重瞼線が生じると、患者様にとってはとても不安の大きい問題です。
「手術は失敗だったのではないか」「このラインはもう治らないのではないか」と感じてしまう方も少なくありません。
ただ実際には、状態をしっかり見極めることで、修正できるケースは少なくありません。
とくに、原因が癒着によるものであれば、剥離と再固定によって改善が期待できます。
修正手術は初回手術よりも難易度が高いことが多く、瘢痕や組織の変化を踏まえた繊細な判断が必要です。
その一方で、適切に対応すれば、見た目の違和感をかなり改善できる可能性があります。
眼瞼下垂術後のラインの乱れや、想定外の二重でお悩みの方は、我慢せず一度ご相談ください。
現在の状態を丁寧に評価し、修正が適しているかどうかを含めてご説明いたします。
治療情報
治療内容
挙筋前転術
費用
短期滞在手術(日帰り)
3割負担:約48,000円
2割負担:約32,000円
1割負担:約16,000円
主なリスク・副作用
目元の腫脹、内出血、二重(ふたえ)まぶたになる、ドライアイ
まとめ
眼瞼下垂手術後の予定外重瞼線は、術後の治癒過程で生じる予期しない癒着によって起こることがあります。
丁寧な初回手術でリスクを下げることは大切ですが、完全にゼロにはできない場合があります。
今回のように、癒着部の剥離と重瞼ラインの再固定によって、自然な目元へ修正できることがあります。









