今回から5回にわたり、「ポテンツァ」について、かなりマニアックに施術の効能や照射設定などを詳しく解説していきたいと思います。
前半は一般の方にもわかりやすく効能や適応病変について。後半は同業者の方にも参考になるように当院でのこだわり設定や照射方法の具体的な内容についても
ご紹介したいと思います。かなりボリュームのある5回(5日連続企画)になっております!毎日20時に配信していますので、是非お楽しみに!
1日目は「ポテンツァについて考える ワンニードル・ポテンツァについて」
ワンニードルチップを使用したポテンツァの効能は、以下の通りです。
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局所的な治療が可能:ワンニードルチップは特定の小さな範囲をピンポイントで治療するのに適しています。特に、単発の炎症ニキビ、ブラックヘッド、汗管腫、稗粒腫、脂腺増殖に対して効果的です。
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しっかり狙い撃ち:効かせたい部位がはっきりしている病変には、狙い撃ちが出来るので効率がいい治療になります。
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ダウンタイム少な目:単一針のため、従来のマルチニードルに比べて肌へのダメージが少なく、ダウンタイムが短くなります。
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炎症性色素沈着のリスク軽減:少ない針を使用することで、炎症や色素沈着のリスクを軽減できます。
ワンニードル・ポテンツァが良い適応となる病変
①鼻のブラックヘッド
②単発の繰り返す炎症性ニキビ
③汗管腫
④稗粒腫
⑤脂腺増殖症
ワンニードルポテンツァの仕組みから効果を考える
このようなペンシルタイプのハンドピースに針を取り付けます。
ハリの長さで8mm、12mm、15mmの3タイプがありますが、当院では12mm一択で対応しています。
皮脂腺の深さは、一般的に真皮層の中層から深層に存在します。具体的には、皮膚の表面から約1〜2mmの深さに位置していますが、個人差や部位によって多少異なります。様々なタイプの「毛穴病変」に平均して効果的なのが12mmと判断し、このチップ1択にしています。
ワンショット打つとこのようなイメージで針先から高周波が出て周囲に熱エネルギーが加わります。
ニキビやブラックヘッド、汗管腫などで「消したい」と思う病変にダイレクトでハリを刺して、焼灼していくことができます。
当院でのこだわりポイント
ワンニードルの治療設定は2種に分かれます。
「とにかく強く焼灼したほうが良い結果になるもの」と「優しく焼灼してじっくり改善させていくほうがよいもの」
前者の「とにかく強く」は【ニキビ】【汗管腫】【稗粒腫】【脂腺増殖】の4つです。
後者の「優しく焼灼」は【鼻のブラックヘッド】です。
この2種類の設定を症例別に使い分けて対応しています。ワンニードル・ポテンツァをご希望の方は医師の診察を受けてどのタイプが自分に合うかを
判定してもらってから施術を受けた方が良いと考えます。
とにかく強く焼灼
メーカーのプリセットのACNモードでの設定では強めの焼灼をする化膿性ざ瘡であってもLEVEL4-6(630-810mJ/Pulse)です。
これでも改善はするのですが、韓国での汎用されているのはマニュアルモードの焼灼。
当院ではマニュアルモードでワンニードルポテンツァは設定しています。
1Pulseが5回ラジオ波が出る設定で出力は自由に変えることができます。出力はWで調整可能で7-10Wくらいで照射しています。
810-1000mJ/Pulseになります。
ポテンツァは他のチップもそうですが、プリセットのまま施術するのか、マニュアルモードで設定を症例にあわせて変えていくのかで効果が全然変わります。
炎症性ニキビ、汗管腫、脂腺増殖、稗粒腫についてはこちらの強いモードで対応します。
照射後は痂皮が生じることがありますが、2週間程度で改善します。
鼻のブラックヘッドは優しく!
鼻のブラックヘッドは強い照射をすると「色素沈着」と「陥凹変形」が生じる場合があります。なのでメーカー推奨出力もLevel1とかなり低出力になっています。
当院でもブラックヘッドは低出力でプリセットのACNモード、Level1で対応しています。強い設定でもやっていた時期がありますが、疼痛が強く鼻のブロック麻酔をして照射しておりました。劇的に改善する方もいますが、1-2割の方に色素沈着と陥凹が生じて改善するまで3か月程度を要するため、あまり良い設定ではないと判断し、現在はLevel1での「優しい設定」+2週間後にハイドラフェイシャルProによる角栓吸引除去を推奨しています。